2009年版夏の暑中読書録-その47-ジャン・ジャック・ ルソー「社会契約論 」

写真は「社会契約論」
ここ数年、気になっていてなかなか書けないかったのがジャン・ジャック・ルソーについてである。ルソーという人物は今日の我々から見ても大変わかりにくい人物のようだ。まず思いつく所を挙げるなら
(1)1712年生まれのスイス人である。
(2)いわゆる正規の教育は受けていない。
(3)音楽家である。ちなみに「むすんでひらいて」を作曲している。
(4)社会思想家であり、政治思想家である。
(5)教育思想家である。
(6)「告白」により自伝文学として世界文学史上に残る文学者である。
(7)日本には早くから紹介されておりなじみが深い。(中江兆民の「民約論」)
しかし本当に一般に理解されているのかは疑問が残る。
といったことが言えるのかと思うのだが。。。
ルソーをこのうちの一つの切り口でのみ考えるとかえって混沌としてしまいそうだ。まるごと全体で考えると近づけそうだと思うのだがどうだろうか。やはりルソーは参加したプロジェクトにみられるように百科全書派の人なのである。
音楽についてはルソーは生涯ラモーと対立していたらしい。

写真は「人間不平等起源論」
ルソーの思想が一つの頂点に達したのが「社会契約論」であるという。この本によって河野健二氏の解説によれば社会思想家および作家であったルソーが、近代を語る政治思想家となり「近代の父」となったという。(*)
百科全書派のメンバーとして出発したルソーであるが、「社会契約論」の中では百科全書派の理論の背景にあるプーフェンドルフやロックの自然法理論には批判的でむしろ、ホッブスの思想に近い立場であったという。
「社会契約論」に至るまでにルソーは重要な著作をあらわしている。「人間不平等起源論」等である。ここで提示されている重要な概念は「自然状態」である。
(この稿未完)
注
(*)ルソー, 桑原・前川訳 [1954]p227
参考文献
(1) J.J. ルソー, 桑原武夫・前川貞次郎訳 [1954]「社会契約論 」岩波文庫
(2)J.J. ルソー,今野一雄訳[1999]「エミール(上)」岩波文庫
(3)J.J. ルソー,今野一雄訳[2000]「エミール(下)」岩波文庫
(4)J.J. ルソー,本田喜代治・平岡昇訳[2004]「人間不平等起源論」岩波文庫
(5) 桑原武夫編[1968]「ルソー研究」岩波書店
(6)海老沢敏[1986]「むすんでひらいて考―ルソーの夢」岩波書店
« 2009年版夏の暑中読書録-その46-E.F. シューマッハー 「スモール イズ ビューティフル―人間中心の経済学」 | Main | 2009年版夏の暑中読書録-その48-金沢正剛「中世音楽の精神史-グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ」 »
The comments to this entry are closed.


Comments
お世話になっております。ジャン・ジャック書房の新刊案内です。
『考える人・ルソー』
E・ファゲ 著 高波 秋 訳
四六判 279頁 本体1600円+税
ISBN978-4-9980745-8-8 C0010 ¥1600E
ルソーのすべての著書や書簡から、ルソーの正体を描き出す、興味ぶかい文を集めて、解説し、ルソーの本質を探り出した本です。著者のファゲも、ウラ方に留まっては、いません。ルソーと対等に、道徳、政治、教育、の諸問題と、直(じか)に、自由に向き合った結果が、鋭い寸評となって、随所にちりばめられています。たとえば、「愛や友情は、幻想に過ぎない。しかし、その幻想に抱かれる心ほど、生気ある実在は、ない」、「人が三人いるとして、二人が合意すれば、三人目の意見は無視してもよい、という、多数決の論理に、ルソーも、だまされている」、「ルソーは、フェミニストとなるには、女を愛しすぎた」、「民主主義は、人を、画一化している」、などなど。
ルソーは、一般読者からの身の上相談に、親身に、答えつづけました。この本では、ルソーから読者への、いくつかの返信が、初めて紹介されています。
ファゲは、この本を、ルソー生誕200年記念行事の一環として書きました。それから、さらに100年、人類は、さまざまの難題に、ぶつかって、迷路に入りそうになっては、正道に立ち帰るべく、悪戦苦闘中。そんな大衆の一人である訳者も、(訳註)、(付記)、小論などのかたちで、ルソーとファゲに向かって、現代人類の苦衷を訴えています。
ルソー研究の基本図書です。ぜひ、ご購入下さい。
(書店に在庫がない場合は、書店に、地方・小出版流通センター扱いの本であることを、お伝えください)
メールで、ご注文いただければ、送料、振込手数料、消費税は、当方負担で、お送りいたします。ご氏名、ご送付先と冊数をご明記の上、ご返信ください。折り返し、本書に、払込票を同封して、すぐに発送いたしますので、到着後、郵便局で、1600円×ご注文の冊数を、お支払いくださいますよう、お願い申し上げます。
maco@bell.ocn.ne.jp
ジャン・ジャック書房
TEL/FAX・03-3858-5067
Posted by: 宮本昌子 | July 21, 2009 at 03:40 PM
お世話になっております。ジャン・ジャック書房の新刊案内です。
『考える人・ルソー』
E・ファゲ 著 高波 秋 訳
四六判 279頁 本体1600円+税
ISBN978-4-9980745-8-8 C0010 ¥1600E
ルソーのすべての著書や書簡から、ルソーの正体を描き出す、興味ぶかい文を集めて、解説し、ルソーの本質を探り出した本です。著者のファゲも、ウラ方に留まっては、いません。ルソーと対等に、道徳、政治、教育、の諸問題と、直(じか)に、自由に向き合った結果が、鋭い寸評となって、随所にちりばめられています。たとえば、「愛や友情は、幻想に過ぎない。しかし、その幻想に抱かれる心ほど、生気ある実在は、ない」、「人が三人いるとして、二人が合意すれば、三人目の意見は無視してもよい、という、多数決の論理に、ルソーも、だまされている」、「ルソーは、フェミニストとなるには、女を愛しすぎた」、「民主主義は、人を、画一化している」、などなど。
ルソーは、一般読者からの身の上相談に、親身に、答えつづけました。この本では、ルソーから読者への、いくつかの返信が、初めて紹介されています。
ファゲは、この本を、ルソー生誕200年記念行事の一環として書きました。それから、さらに100年、人類は、さまざまの難題に、ぶつかって、迷路に入りそうになっては、正道に立ち帰るべく、悪戦苦闘中。そんな大衆の一人である訳者も、(訳註)、(付記)、小論などのかたちで、ルソーとファゲに向かって、現代人類の苦衷を訴えています。
ルソー研究の基本図書です。ぜひ、ご購入下さい。
(書店に在庫がない場合は、書店に、地方・小出版流通センター扱いの本であることを、お伝えください)
メールで、ご注文いただければ、送料、振込手数料、消費税は、当方負担で、お送りいたします。ご氏名、ご送付先と冊数をご明記の上、ご返信ください。折り返し、本書に、払込票を同封して、すぐに発送いたしますので、到着後、郵便局で、1600円×ご注文の冊数を、お支払いくださいますよう、お願い申し上げます。
maco@bell.ocn.ne.jp
ジャン・ジャック書房
TEL/FAX・03-3858-5067
Posted by: 宮本昌子 | July 21, 2009 at 03:42 PM