2009年版秋の夜長の読書録-その36-カール・マルクス「 ルイ・ボナパルトのブリュメール18日―初版」

写真は「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」
明治維新が起きたのを明治元年1868年とすると当時の列強と言われていた欧米諸国の状況はどうだったのだろう。フランスが幕府に肩入れしたていたことはよく知られている。徳川慶喜のフランス軍服を着た写真もあったように記憶している。
パリはオスマン男爵による都市改造が始まり、現在に続く近代都市に生まれ変わりつつあった。
1855年にから始まったパリ万国博覧会の開かれた1867年の第二回には徳川昭武が赴き、これに随行したのが渋沢栄一などである。

写真は「怪帝ナポレオン三世-第二帝政全史」
さて、その当時のフランスはナポレオン三世の治世下にあった。このナポレオン三世という人物がなかなか興味深い。フランス革命が起きたのが1789年で、それからのフランスは共和制、帝政、王政復古とめまぐるしく変わっていく。フランス革命の終盤にあらわれたナポレオン・ボナパルトはフランスを独裁するのみならず、ナポレオン戦争を起こしヨーロッパ全体を巻き込んだのはご案内の通りだ。さて、ナポレオン三世はそのナポレオンの甥ということになっている。マルクスやユーゴーに酷評されるナポレオン三世であるが
新たな産業社会や、消費資本主義を推進した人間として見直され始めている。
鹿島茂氏の「怪帝ナポレオン三世-第二帝政全史」はその生涯を追うことに新たな発見をさせてくれる。
そのナポレオン三世に影響を与えたのはアンリ・ド・サン=シモンの思想である。

写真は「産業者の教理問答―他一篇」
サン=シモンは」今日一般にはなじみが薄いが重要な思想家である。彼の後継者にはオーギュスト・コントがいるが彼に比べると甚だ影は薄い。
その理由はフーリエ、オーエンと併せてマルクスやエンゲルスが空想社会主義者とまとめて片付けたことにあるようだ。

写真は「空想より科学へ」

写真は「ナポレオン フ-シェ タレ-ラン ― 情念戦争1789-1815」

写真は「フランス二月革命の日々」
(この稿未完)
参考文献
(1)カール・マルクス,植村邦彦訳[2008]「 ルイ・ボナパルトのブリュメール18日―初版」平凡社ライブラリー
(2)鹿島茂[2004]「怪帝ナポレオン三世-第二帝政全史」講談社
(3)鹿島茂[1992]「絶景パリ万国博覧会-サン=シモン鉄の夢」河出書房新社
(4)サン=シモン 森博訳[2001]「産業者の教理問答―他一篇」岩波文庫
(5)オウエン、サン・シモン、フーリエ、 白井厚編[1980]「世界の名著 42 オウエン・サン・シモン・フーリエ」中公バックス
(6)サン=シモン 森博訳[ 2001]「産業者の教理問答―他一篇 」岩波文庫
(7) フリードリッヒ・エンゲルス 大内 兵衛訳[1966]「空想より科学へ―社会主義の発展」岩波文庫
(8)アレクシス・ド・トクヴィル 喜安朗訳[1988]「フランス二月革命の日々―トクヴィル回想録」岩波文庫
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